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単純梁にモーメント荷重⁉ せん断力図(Q図),曲げモーメント図(M図)の描き方をマスターしよう

M図

さて、単純梁のQ図M図シリーズ最後の分野となりました。

今回は単純梁にモーメント荷重がかかった場合の、Q(せん断力)図M(曲げモーメント)図の描き方を解説していきたいと思います。

【構造力学】#24 単純梁にモーメント荷重がかかった場合の反力の求め方を解説!
【構造力学】#25 単純梁に等変分布荷重がかかったときの応力図の描き方を徹底解説!

 

先回までは計算づくめで大変だったかと思いますが、今回は比較的簡単です!

まずは、モーメント荷重についてですが、それが何かわからないと先に進めません。

復習しておきたい方は下のリンクから見ることができます。

 

 

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例題

下の図を見てQ図M図を求めなさい。

 

 

 

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解説

反力の仮定

【構造力学】#24 単純梁にモーメント荷重がかかった場合の反力の求め方を解説!

まずは反力を仮定し、求めていきます。

この問題では水平力が働いていないため、水平反力及びN図は省略します

 

さて、実はこの問題鉛直方向にも力が働いていません。

…ということは鉛直反力も0?

…ではありません。

反力0だと、このモーメント荷重(物を回す力)によって、単純梁がぐるぐる回ってしまいます。

このモーメントは止めないといけません。

 

 

では、どうするのか。

実はすでに習った分野で解くことができます。

それは…

偶力

です!

 

覚えているでしょうか?

忘れてしまった方は下のリンクから記事を見ることができます。

 

この問題では、モーメント荷重時計回りに15kN・mの力で回しています。

これを止めるには、偶力を使い、反時計回りに15kN・mの力を加えないといけません。

 

それでは、偶力の公式に当てはめます。

偶力の公式は下の物です。

偶力のモーメントの公式

M=PL[N・m,kN・mなど]

P…一方の力の大きさ[N,kNなど]

L…2力間の垂直距離[mm,mなど]

 

ということは…

M=15kN・m

L=5m

より、

 

15 = 5 × P

P = 3kN

となります。

 

これを反時計回りの偶力になるようにセットすると…

VA=-3kN

VB=3kN

となります。

 

 

補足:モーメント荷重の反力の注意点

モーメント荷重はあまり問題に出てこないかもしれません。

なので忘れないように、しっかりと注意点を覚えておいてください。

 

モーメント荷重の注意点、それは…

モーメント荷重がかかる位置は反力に関係ない

 

モーメント荷重は、物体そのものを回す力です。

なので、どこにかかっていたとしても、物全体が回ろうとする力を持つのです。

下の図を参照

そして、このモーメント荷重の反力としてよく出てくるのが「偶力」です。

しっかりと覚えておきましょう。

 

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Q図の描き方

【構造力学】#25 単純梁に等変分布荷重がかかったときの応力図の描き方を徹底解説!

では、Qを描いていきましょう。

実は今回はめちゃめちゃ簡単です。

 

セオリー通り鉛直方向にかかっている力のみを見てみましょう。

 

図の左(右でも可)を見てみます

詳しいやり方は下の記事を参照

 

 

まずはA点を見てみましょう。

部材の左側が下向きの力でせん断されています。

この場合符号は+と-どちらでしょうか?

下の表で確認しましょう。

部材の左側が下向きの場合、符号は-となります。

大きさはVAのまま3kNとなります。

 

 

次に、鉛直方向にかかっている力の場所に目を動かします。

B点です。

これは部材の右側が向きの力でせん断されています。

この場合符号は+と-どちらでしょうか?

下の表で確認しましょう。

部材の右側が上向きの場合、符号は-となります。

大きさはそのまま-3kNです。

 

あとは直線でつなぐだけです。

最後に符号と大きさを書き入れて終了です。

めちゃめちゃ簡単ですね。

 

 

 

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M図の描き方

補足: モーメント荷重のM図を描くときの注意点

今回は先に補足を入れさせていただきます。

モーメント荷重ですが、モーメント力に関してある特徴があります。

それは、

モーメント力を一気に変化させる

 

というものです。

これを踏まえてM図を描いていきましょう。

 

M図の描き方 手順

今回のM図は等分布荷重や等変分布荷重ではないので、直線形になります

では、部材の左(右でも可)から順番に見ていきましょう。

 

まず、A点はVAがかかっていますが、VAとA点の距離が0なのでモーメント力も0です。

 

次に力がかかっているのはC点です。

まず、VAがC点を回す力を考えましょう。

力のモーメントの公式より、

3kN × 2m = 6kN・m

VAはC点を上側に突き出すように回すので符号はマイナスになり、

-6kN・m

となります。

 

そして、先程の補足で解説しましたが、モーメント荷重はモーメント力を一気に変化させます。

今回は時計回りに15kN・mの分が一気に変化することになります。

これを式で表すと

-6kN・m + 15kN・m = 9kN・m

となり、M図も一気に変わります。

あとはB点のモーメント力と直線で結ぶだけです。

B点のモーメント力もA点と同様の理由で0なので、0に繋ぎます。

最後に符号と大きさを書き込んで終了です。

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