さて、偶力とはいったいなんぞや、という感じでしょうか?
少なくとも日常生活では「偶力」という言葉は使いませんよね。
ということで今回は偶力について解説してきます。
偶力ってなに?
まずはウィキペディアの引用を確認してみましょう。
偶力(ぐうりょく、英: (force) couple)とは、作用線が平行で、互いに大きさが等しく、方向が反対向きの2つの力 (F, −F) のことである。偶力が働くと物体は回転をはじめるが、並進運動をさせる効果はない。
Wikipedia 偶力
…はい、よくわかりません。
ということで簡単に説明しようと思います。
まず偶力とは二つの力のことですが、条件が3つあります。
1お互いに向かい合っている
2平行
3同じ大きさ
この条件3つを満たしているものが偶力といえます。
下の図で確認しましょう。
まずは偶力ではない力たちです。
下の図、これが偶力です。
いかがでしょうか?
特性を理解したら見分けるのはそんなにむずかしくありません。
ただ、偶力なんて力かかることある?とお思われるでしょうか。
実は身近に結構あるんです。
物体に偶力がかかると図心を中心に物体は回転します。
当たり前といえば当たり前の現象です。
身近なもので回転させているものを考えてみてください。
例えば車のハンドルを回すときや、きりを回すときなどはどうでしょうか?
車のハンドルを右に回すとき右手は下方向に下げて、左手は上方向あげることによってハンドルを回しますよね。
まさしく偶力をかけています。
きりを回すときも、右手を前に出したら左手を手前にひいて、左手を前に出したら右手を手前にひいて…と偶力をかけて回転させているわけです。
「偶力を使っている身近な例を挙げなさい」という問題が出るかもしれません。
ぜひ覚えておいてください。
注意点
またここでも符号と単位に気を付けましょう。
時計回りなら+
反時計回りなら-です。
しかしプラスの場合に限り符号を省略することができます。
もし反時計回りになるのであればモーメントの大きさを求めたうえで「この偶力のモーメントの回転方向は反時計回りのため負となる」という一文を加えたうえで答えに負の符号をつけましょう。
単位ですがPの単位がN,lの単位がmmだった場合モーメントの単位はN・mmとなります。
もしPの単位がkNだった場合はkN・mmとなりますし、lの単位がmだったらN・mとなります。
自分の計算しているものの単位をしっかり確認して答えの単位を書きましょう。
力のモーメント2の宿題の答え
まずはP1がかけるモーメント力を求めます。
P=4,l=3なので
4×3=12kN・m
P1はO点を時計回りに回すので
M=12kN・m
次はP2がかけるモーメント力を求めます。
P=3,l=2なので
3×2=6kN・m
P2はO点を反時計回りに回すので
M=-6kN・m
それぞれを足して
12+(-6)=6
よってO点にかかるモーメント力は
M=6kN・m
となります。
単位と符号を間違えないように気を付けましょう!
力の数が増えるとやはり面倒くさいです。
落ち着いて計算していくことが大事になってきます。