解説動画
まずモーメントってなに?
建築構造設計を学び始めて最初に出てくるのが力のモーメントです。
モーメントっていきなり出てきたけどなんなん?…となりますよね。
まずモーメントについてWikipedia先生の答えを見てみましょう。
力学において、原点 O から点 P へ向かう位置ベクトル と、点 P におけるベクトル量 との外積(ベクトル積) を、O 点まわりの のモーメント(英語:moment)あるいは能率という。
Wikipedia モーメント
…これを読んで理解できる方がおられましたら、このサイトの解説は見なくても大丈夫だと思います…
正確に答えるとしたらWikipediaの解説で正解なのかもしれませんが、ここではもっと簡単に説明したいと思います。
モーメントについて簡単に説明するとするなら…
簡単に言うと、モーメントとは回す力です。
ドアノブを想像してみてください。
こういう戸を開けるとき、ドアノブを下におろすことでドアノブが回り戸が開きます。
この時やっている行為がまさにドアノブにモーメント力をかけているということなのです。
物を回すときだけではありません。
曲げる動き、例えば直線定規を横にもってぐにゃ、と曲げる行為も厳密にいうと回す力になるのでモーメント力をかけている、と言えます。
ここまで説明してきましたが、実はこういう専門分野は考えれば考えるほどわけわからなくなってきます。
どこかで区切りをつけて、こういうものだと思ってください。
力のモーメントの解法を解説
では、力のモーメントの解法に移っていきます。
まず力のモーメントの公式を確認しましょう。
式で見ると英語がごちゃごちゃ出てきていますが、実際問題を解いてみるととても簡単です。
例題で考えてみましょう。
力のモーメント 例題
下の図においてP=50N,O点からP点までの垂直距離l=200mmとしたときO点に対する力のモーメントMを求めよ。
力のモーメント 解説
これは公式に当てはめていけばすぐに答えが出ます。
P=50 ,l=200なので
50×200=10000N・mm
M=10000N・mm
となります。
しかしここの分野で気を付けることが2点あります。
力のモーメントを解くときの注意点2つ
1符号を忘れない
モーメントを問われた場合基本的に符号が必要になってきます。
時計回りなら+
反時計回りなら-です。
しかしプラスの場合に限り符号を省略することができます。
先ほどの例題では力Pをかけた時Oが時計回りに回る力が働いたため符号は+になります。
もし反時計回りになるのであればモーメントの大きさを求めたうえで「この力のモーメントの回転方向は反時計回りのため負となる」という一文を加えたうえで「-○○N・mm」と書くことができます。
2単位
今回の例題ではPの単位がN,lの単位がmmでした。
そのためモーメントの単位はN・mmとなります。
もしPの単位がkNだった場合はkN・mmとなりますし、lの単位がmだったらN・mとなります。
自分の計算しているものの単位をしっかり確認して答えの単位を書きましょう。
宿題
下の図より点Oにかかるモーメント力を答えなさい。
答えは次の記事「力のモーメントとは?わかりやすく解説!part2」に書いてあります。